2009/08/26

『オズの実践トレード日誌』全米ナンバー1デイトレーダーの記録公開 トニー・オズ著

『オズの実践トレード日誌』全米ナンバー1デイトレーダーの記録公開 トニー・オズ著

つづき・・気になる部分を抜書きしています。

・取引本部の設置
 パソコン2台(一台はバックアップ用)、モニター4台(21インチ)、プリンタ、テレビ(CNBCを流しておく)

・ブローカー選び
リアルタイムソフトと市場への直接アクセスを提供するブローカーを最優先。
ブローカーのカスタマーサービスと手数料を考慮して最終的に決める。

・ルールの設定

資金は5万ドル。信用はその倍の10万ドルまで使えるようにする。ひとつの銘柄に対する投入資金は最高で3万ドル、普通は2万5000ドル程度とする。このようにすれば、一銘柄に集中することはなく、リスクが分散される。

例外は、インデックスを取引する場合。この場合は10万ドルすべて投入しても良い。
オーバーナイトポジションには資金全部を投入しても良いものとする。状況によっては、次の日、すぐに売却せずに保有しても良い。もちろん、この場合は、それ相当の理由が必要。

・各週末には、得られた利益をすべて口座から引き出す。もし、損を出しても、損失分を口座に入金しない。再び5万ドルを超えるまでは、その残額でトレードする。このことにより、スランプに陥った場合でも大きな損失を出さずにすむ。

・挑戦のレベルを上げるため、ショート(空売り)はしない。

・初日に備えて・・・

トニーの一日は、マーケットがクローズしてから始まる。
次の日にマーケットがオープンするまでの間に、マーケットリサーチをするから。
普段はこれを夜に行う。
リサーチが終わると、「翌日、自分がどのような銘柄を、どのようにトレードしたらいいのか」のイメージが浮かんでくる。そのイメージをメモり、トレードプランを立ててから、ベッドにはいる。

・翌日のトレードに備え、「勝率の高い銘柄」を探すときは、テクニカル分析を使う。
出来るだけ物事を単純化し、よく理解しているパターン(自分の経験から)でないと取引を行わない。

・「勝率の高い銘柄」探すためのオーバーナイト・スキャン

最初に行うスキャンは、ここ3日間に株価が下がった銘柄を検索。
52週間の最高値から下落し続け、支持線に突き当たったか、反転し始めた、またはそれに近い銘柄を探し出す。その公式は以下のとおり。

ここ20日間の平均出来高 > 350,000
直近の約定値 > 前日の最安値
前日の終値 < おとといの終値
おとといの終値 < 3日前の終値
3日前の終値 < 4日前の終値

・デイトレードでどのように生計を立てているかについてのレッスンが多く含まれた参考書。

・注文執行ソフトは「RialTick」

・デイトレードにおいて、常にリスクを利益の3分の1以下に抑える。
あるトレードで、3ポイント獲得しようと考えたら、1ポイントしかリスクに取れない。このような比率では無理な場合は、そのトレードは実行しないようにする。

・「有効なストップロス・システムを持つ」
最初に、トレードの「リスク/報酬」の割合を考慮し、次にどこまでストップロスのポイントを下げても大丈夫かを検討する。
そして最後に、テクニカルな支持線がどこにあるかを見極める。なお、ストップロスの設定には、次の要素を考慮する。

・今日の最安値の下
・機能の最安値の下
・今日の支持線の下
・過去2,3日間の支持線の下
・最後の上昇から50%戻した所
・インデックスの最安値の下、および支持線の下

・最初に設定したストップロスまで下がらない場合、株価が上がれば自動的にストップロスの設定も上がる「トレイリング・ストップロス機能」を使って利益を守る。
このような時は、「マーケット全体」「個々の株」「マーケットメーカーの動き」を観察しながら売却のタイミングを見極める。

○感想

デイトレードって、こんなに色々な決まりごと?を決めてするものなんですね。すごいです。。

それにトニーは、前日にトレードする候補を6つほど取り上げ、それぞれにおいて、トレードプランを細かく書いています。
書いていることは、
いくつかの支持線(前回につけた安値、50日移動平均線、前回のブレイクアウトでつけた株価)の株価を書き、そこに到達したら再び上昇に転じると予想し、そこから反転できれば、目標株価は○○~○○ドル(以前につけた高値と高値)の間となる。
次にストップロスについては、上記の価格レベルの3/16ドル下に設定。

とか、

300株を○○ドルで購入し、まだ勢いがあるようならもう300株を○○ドルで購入する、と書いているプランもある。これも、ストップロスは○○ドルに設定、目標は○○~○○ドルと決めていて、具体的には、目標の少し下で300株を売却、残りの300株にはトレイリング・ストップロスを設定し、さらなる上げを狙う。などと細かくトレードプランを書いている。

あと、

○○ドルよりも高く取引されるようなら購入し、ストップロスを前日の最安値に設定する。目標は3日前の最高値。

など、それぞれのチャートに沿ったプランをすでに細かく設定している。。
そして、「RialTick」のマーケットマインダーに登録しておく。


これだけ細かく、それも前日にトレードプランを描いているのだが、実際にトレードが始まった日は、ギャップオープン(窓空け)で始まったんです。

トレードをする予定だった6銘柄を注意深く観察していたが、どれも当初設定していた条件が欠けていた(ギャップアップで始まり、上げ部分を埋めにかかっているとか、買おうと思っていた支持線を割ってしまったり、インデックスは違った方向に向いていたり・・・)ので、せっかく用意したプランは実行できなかったのです。。

私なら初日からもうぐったり・・・になるところだけれど、
トニーは、この日のトレード日誌の最後に、「今日のトレードを楽しみにしていた皆さんもきっと、失望したことだろう。でも失望は、ウォール街では毎日起こっていることである。今日はトレードしなかったが大切なものを学んだはずだ。」と締めくくっている。

そして、二日目は、FOMC会議があるということで、今日のトレードはリスクが高くなるとして、銘柄のトレードプランは用意せず、「スナイパー戦術(冷静になってマーケット全体の状況を見る戦術)」を取ることに。

条件が良ければ攻めに転じる。
そのときの銘柄は、インドラデイ銘柄検索ソフトと、ウォッチリスト(いつもトレードする銘柄を登録してある)から、勝率の高い銘柄を見つけるという。

こんな風に銘柄を見つけ、勝てる条件がそろうのを見つける場合には、やはり4モニターくらいないと、見ることが出来ないですよね。

で、起床から4時間がたって、やっと気に入った条件の株が見つかったと・・・

ウォッチリストに載っていた理由も書いてありました。ある株は、「前日に52週間の最高値を記録していた」から。こういうところに注目しているんですね。

二日目の終わりはプラスで終了。
学んだことは、「トレードをしているときに、インデックスに注目することは大切なことだ。ほとんどの銘柄は一日を終わってみるとインデックスと連動しているからだ」

ということで、ダウが値を下げたら、持っている株も下がると見て、売却すること。

こんな風に、毎日毎日のトレードと、その背景、考え方などがチャートとともに記されている。
まるで一緒にトレードをしているみたいです。